「缶はペットボトルよりも賞味期限が長い」という話を聞いたことはありませんか?
実はこれ、単なる雑学ではなく、私たちが日々の生活や、いざという時の備蓄を考える上で非常に重要なポイントなんです。
同じ清涼飲料水でも、容器が変わるだけでなぜ賞味期限に差が出るのでしょうか?この記事では、その科学的な理由と、容器ごとの保存性の秘密を徹底解説します。
缶が「最強の保存容器」である理由
結論から言うと、缶が最も保存性が高く、それに伴って賞味期限も長くなります。一般的に、缶飲料の賞味期限は1年~1年半程度に設定されることが多く、中には備蓄水のように5年以上の長期保存を可能とする商品もあります。
この長期保存を可能にしている最大の要因は、「バリア性の高さ」です。
- 光を完全に遮断: 飲料の風味や品質を劣化させる最大の敵の一つが「光」、特に紫外線です。金属製の缶は光を全く通さないため、中身の劣化を根本から防ぎます。
- 空気(酸素)と水蒸気の透過ゼロ: 缶は金属でできており、空気や水蒸気を一切通しません。これは、飲料の酸化を防ぎ、風味の変化を抑える上で極めて重要な役割を果たします。
さらに、缶詰と同様に、中身を詰めた後に完全に密封し、微生物の繁殖を防ぐために加熱殺菌する製造工程も、その長期保存性に大きく貢献しています。缶は非常に強度が高いため、この高温・高圧での殺菌処理に耐えることができるのです。
ペットボトルはなぜ保存性が劣るのか?
一方、便利なペットボトルは、缶に比べると保存性、すなわちバリア性が劣ります。
ペットボトルの主成分であるPET樹脂は、光をある程度通してしまいます。また、微量ながら空気(酸素)や水蒸気を通してしまうという性質があります。
- 酸素の侵入:微量の酸素が時間とともにボトル内に入り込み、飲料の酸化や風味の変化を少しずつ引き起こします。
- 水分の蒸発:微量の水分がボトルを通過して蒸発するため、特に長期保存においては中身が減る可能性(内容物の蒸散)も考慮しなければなりません。
- 匂いの移り:ペットボトルは匂いの成分も通すため、近くに強い匂いを放つものがあると、中身に匂いが移ってしまう可能性もあります。
これらの理由から、同じ飲み物でもペットボトル入りは缶入りに比べて賞味期限が短く設定されることが多いのです。
賢い備蓄術:「缶」を意識する
この知識は、防災のための飲料水や食品を備蓄する際に大いに役立ちます。
災害備蓄用として飲み物をストックする際は、保存性に優れた缶入りの飲料水や、賞味期限の長い缶詰を積極的に選びましょう。これらは、万が一の事態に、最も長く、安全においしさを保ってくれる「タイムカプセル」のような存在です。
もちろん、日常で飲む分にはペットボトルの利便性は欠かせません。しかし、「長期保存が必要なもの」と「日常消費するもの」を区別し、特性に合わせて容器を選ぶことが、賢く安全な生活を送るための秘訣と言えるでしょう。
ぜひ、これを機にご家庭の備蓄品をチェックし、容器ごとの特性を活かしたストックの見直しをしてみてはいかがでしょうか。
【記事のポイントまとめ】
- 保存性は「缶 > 瓶 > ペットボトル > 紙パック」の順で高い。
- 缶は光・空気・水蒸気を完全に遮断するため、最も賞味期限が長い。
- ペットボトルは微量の光・酸素・水蒸気を通すため、缶に劣る。
- 災害備蓄には、長期保存可能な「缶」入り飲料を選ぶのがおすすめ。


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