水辺に佇むフラミンゴの姿は、まるで絵画のように優雅で美しいですよね。その鮮やかなピンクや赤の色は、私たちを魅了してやみません。しかし、「フラミンゴの体が赤いのは、実は食べ物のせいだ」という雑学をご存知でしょうか?
一見、遺伝や生まれつきの色と思われがちなフラミンゴの体色ですが、その秘密は彼らのユニークな食性と、ある特定の色素に隠されているんです。今回は、この驚きの真実を深掘りし、フラミンゴの色の謎に迫ります。
フラミンゴの色を決定づける「カロテノイド」とは?
フラミンゴの体色を司るカギとなるのが、「カロテノイド」と呼ばれる天然の色素です。このカロテノイドは、私たちが普段目にするニンジンに含まれるベータカロテンや、エビやカニに含まれるアスタキサンチンなど、赤やオレンジ色の成分の総称です。
野生のフラミンゴが主食としているのは、主に以下のものです。
- 藻類(らん藻類など):特に塩湖などに生息する藻類には、カロテノイドが豊富に含まれています。
- 甲殻類(エビやカニの仲間):小さなプランクトンやブラインシュリンプといった甲殻類にも、赤い色素が多く含まれています。
フラミンゴは、特徴的な曲がったくちばしを水中に入れ、水を濾過するようにしてこれらの小さな獲物を食べます。このとき、食事を通して大量のカロテノイド色素を体内に取り込むわけです。
体内に取り込まれたカロテノイドは、フラミンゴの肝臓で分解・処理され、羽毛や皮膚に蓄積されます。こうして、本来は灰色や白色で生まれてくるフラミンゴのひなが、成長とともに徐々にあの美しいピンク色へと変化していくのです。
もし赤い色素を含まない食べ物を与え続けるとどうなるでしょうか?
動物園などで、色素が不足した餌を与え続けると、フラミンゴの羽は徐々に色褪せ、最終的には白色に戻ってしまいます。つまり、フラミンゴにとってあの鮮やかな色は、生きていく上で欠かせない「食べ物」の証でもあるのです。
色の濃さは「健康と魅力」のバロメーター
単に色がつくというだけでなく、この鮮やかな赤やピンクの色には、フラミンゴの社会において重要な役割があります。それは、「健康状態と魅力のアピール」です。
フラミンゴは、集団で生活し、繁殖期には複雑な求愛ダンスを披露します。このとき、より色が濃く、鮮やかなフラミンゴほど、「質の高い餌を十分に食べている=健康で優秀な個体」と見なされます。メスは色の濃いオスを、オスは色の濃いメスを選ぶ傾向があり、結果として、鮮やかな体色は繁殖成功率を高めるための重要な要素となっているのです。
人間でいう「ファッション」のような感覚で、フラミンゴは食べることで自らの魅力を高めている、と考えると面白いですね。動物園でフラミンゴの羽の色が鮮やかに保たれているのは、彼らが健康で魅力的にいられるよう、カロテノイドを添加した専用の飼料が与えられているからなんです。
赤い「フラミンゴミルク」の秘話
さらに、フラミンゴの色の雑学には、子育ての驚きの秘密も加わります。
生まれたばかりのひなは、前述の通り白っぽい色をしています。親鳥は、ひなに与える「フラミンゴミルク」と呼ばれる特別な分泌液を、食道の一部である「そのう」から出します。
驚くべきことに、このフラミンゴミルクにも、親鳥の体内で濃縮された赤い色素が含まれています。親鳥はこの赤いミルクを口移しでひなに与えるため、一時的に親鳥の体色は薄くなってしまうこともあるほどです。これは、親鳥が自らの色を犠牲にしてでも、ひなに健康の源となる色素を与えている、愛情深い子育ての姿を物語っています。
まとめ
フラミンゴの鮮やかな体色は、彼らが日常的に食べている藻類や甲殻類に含まれるカロテノイド色素が羽毛に蓄積することで生まれる、自然の芸術です。
- 色の秘密は「カロテノイド」:餌に含まれる赤い色素が体色になる。
- 健康のバロメーター:色が濃いほど健康的で、異性にモテる。
- 子育ての秘密:親鳥は赤い色素を含む「フラミンゴミルク」でひなを育てる。
この動物雑学を知ることで、次にフラミンゴを見たときは、彼らが何を食べているのか、どれだけ健康なのか、という視点でも楽しめそうですね!自然界の色の不思議は尽きません。


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