非常階段は「左回り」に設計されているって本当?【災害時にも役立つ知識】

その他

非常時に命を守るための設備、非常階段。多くのビルや施設に設置されていますが、実はその構造には、私たちの避難行動をスムーズにするための、ある工夫が隠されているのをご存知でしょうか?

​その工夫とは、「降りる際に左回りになるように設計されている」というもの。一見すると、階段の向きなんて気にしないかもしれませんが、この設計には人間の心理と安全性を考慮した深い理由があるのです。

​なぜ「降りる時に左回り」なのか?

​一般的に、人が階段を上がる時には、踊り場を右回りに進むことが多いとされています。しかし、非常階段の主目的は「避難のために降りること」。そのため、降りる際に左回りになるように設計されているケースが多いのです。

​この「左回り」が避難に有利とされる理由には、主に以下の二つの側面が関係しています。

​1. 人間の利き手とバランス

​多くの人は右利きです。階段を降りる際、私たちは手すりを掴むことでバランスを取り、安心感を得ます。

  • 左回り(反時計回り)に降りる場合、体の内側(階段側)にある手すりを右腕で掴むことになります。
  • ​利き腕である右腕でしっかり手すりを掴むことは、緊急時で緊張している状態でも、より安定した姿勢を保ち、転倒を防ぐのに役立つと考えられています。

​2. 混乱時の心理的効果

​非常時はパニックになりやすく、冷静な判断が難しくなります。

  • ​一部の心理学的な考察や研究によると、人間は左回り(反時計回り)の動きに対して、本能的に「安心感」や「落ち着き」を感じやすい傾向があると言われています。これは、メリーゴーランドなどの子供向けのアトラクションに左回りが採用される理由とも共通しています。
  • ​非常階段を「降りる」際に左回りになることで、パニック状態の中でも、無意識のうちに少しでも落ち着いて行動し、スムーズに避難できるように設計されているのです。

​日常の階段とは違う「非常時」の設計思想

​普段、私たちが使う住宅の階段などは、昇降時の使いやすさやスペース効率を優先して設計されます。しかし、非常階段は「命を守る」という唯一無二の使命を持っています。

​建築基準法では、避難階段の構造について詳細な規定がありますが、「左回り」を義務付ける直接的な条文があるわけではありません。しかし、前述のような人の行動特性や安全性を深く考慮した結果として、多くの設計で「降りる時の左回り」という構造が採用されているのです。

​まとめ:もしもの時のために

​普段、意識することのない非常階段の構造。その「左回り」の設計には、緊急時でも私たちが安全かつ迅速に地上に降りるための、知恵と工夫が詰まっています。

​もしもの時に備え、ビルや施設の非常階段の位置だけでなく、その構造に込められた「左回り」の意味を頭の片隅に置いておくことで、より冷静に避難行動をとれるかもしれませんね。

こちらも見てね!

Comments

Copied title and URL