なぜ冷蔵庫の中には電灯があるのに、冷凍庫にはないのか?

科学

家庭で当たり前に使っている冷蔵庫。夜中に冷蔵庫を開けると、中が明るく照らされて、目的のものを簡単に見つけられますよね。でも、冷凍庫を開けたときにはどうでしょうか?
「暗っ……」と思ったこと、ありませんか?

実は、ほとんどの冷凍庫には照明が付いていません。一方で、冷蔵室には必ずと言っていいほどライトがあります。これは単なる偶然や設計ミスではなく、いくつかの理由があるんです。


1. 冷蔵室と冷凍室の「使われ方」の違い

まず大きな理由として、「開ける頻度の違い」があります。
冷蔵室は日常的に使う食材や飲み物を保管しているため、朝昼晩と一日に何度も開ける場所です。照明があることで、奥の方まで見渡しやすく、探し物がしやすくなります。

一方、冷凍庫は保存期間が長い食品を入れておく場所。冷蔵室ほど頻繁には開けられません。そのため、「わざわざ照明をつける必要がない」と判断されることが多いのです。


2. 照明のコストと構造の問題

冷凍庫にライトを付けるには、実は意外と手間がかかります。

まず、冷凍庫の内部は常にマイナス18℃前後。従来の電球(特に白熱電球や初期のLED)は、この温度環境では結露や凍結によって故障しやすかったのです。また、寒冷環境に対応するためには、専用の防水・耐冷設計が必要になります。

こうした追加設計にはコストがかかります。特に、エントリーモデルや小型冷蔵庫では、コスト削減の一環として「冷凍室にライトを付けない」という判断が一般的になっているのです。


3. 冷凍庫の構造上の事情

冷凍庫の多くは、引き出し式や扉式の棚構造になっています。食材は袋や箱に入っていることが多く、パッと見ても中身が分かりづらい。つまり、照明を付けても「見やすさ」にあまり貢献しないケースが多いのです。

しかも、奥行きが深かったり、食材が積み重なっていたりすると、照明の光も届きにくくなります。そのため、「ライトがあっても使いづらい」というのがメーカー側の見解でもあります。


4. でも、最近は冷凍庫にもライトがついている?

実は、全ての冷凍庫にライトがないわけではありません。近年では、高級モデルや海外製の冷蔵庫を中心に、冷凍室にもLEDライトが搭載されている製品が増えてきました。特に、引き出しタイプで段が多いものや、横幅が広い冷凍庫では、照明の重要性が見直されています。

技術の進化により、低温環境でも問題なく使えるLEDが開発され、今ではコスト面も含めて導入しやすくなってきました。今後、冷凍庫にもライトが付くのが当たり前になる時代が来るかもしれません。


まとめ

  • 冷蔵室には使用頻度が高く、視認性を高めるために照明がある
  • 冷凍庫は使用頻度が低く、照明のコストや構造的な難しさから省略されがち
  • 近年は技術進化により、冷凍庫にもライトが搭載された製品が増えてきている

次に冷蔵庫を開けたとき、何気なく点くライトを少し意識してみてください。
そこには「使いやすさ」と「コスト意識」と「技術の進化」の絶妙なバランスがあるんです。




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